時の流れに ~オランには だれもおらん~

c0161364_10533718.jpg

オランはアルジェリア第2の都市。まあ 日本で言ったら、アルジェが東京ならオランは大阪に相当するのでしょうか。カミュの小説「ペスト」の舞台でもあります。

当時アルジェリアは、ばりばりの社会主義国でした。あんまり商売っけがないのか、商店などは夕方早くに店を閉めるなあという印象を持ちました(当然ですかねえ)。

アルジェから乗ったオラン行きの鉄道は、時刻表に記載された定刻より1時間12分遅れ、午後7時42分にオランに到着しました。周りはすでに真っ暗です。駅の外に出て目が点になりました。アルジェリア第2の都市の中央駅前だというのに、何もないんです。倉庫みたいな建物がいくつかあるだけ。だれもおらんのです。街灯も人影もまばら。とにかく暗い、光がほとんどありません。

果たして寝る場所が見つけられるのか不安になります。ガイドブックの地図を頼りにホテルを探しますがそれらしきものは皆無。大きな荷物をしょっているので歩きまわるのはきついです。通りには若い男が数人ずつかたまってはワイワイやってます。じっとこちらを見る者もいます。ちょっと怖いです。私のような状況の人間をカモネギというのではと思いました。

信号待ちをしていた人にこの辺にホテルはないかと尋ね、教えてもらった場所へ行くと、「complet(満室)」。そのまま通りを下ると、一軒ホテルらしきものを見つけました。

中に入り、泊まりたいというと、「8時を過ぎたから料金は2倍、200ディナール(5600円)」と訳の分からんことを言います。現在の私だったらすぐ泊まってたところですが、当時の私はそれが許せず、また歩き出しました。

しばらく歩いてまた一軒見つけました。それがアストリアホテル。値段を訊くと、60ディナール(1680円)。チェックインを済ませました。安心したら急にお腹が減ってきたので、フロントで近くにパン屋はないかと尋ねると「もう閉まっているよ」という返事が。今からレストランへ行くにも、両替を十分していないので残金でまかなえるか不安だし。

今夜はメシ抜き、水を飲みジャムをなめるしかないかなと思って部屋へ戻ろうとしたら(日記によるとジャムを持ち歩いていたようです、記憶になかったんですが)、フロントの一人が「おれについてこい」と言って、数分歩いたところの食堂で店主と交渉してフランスパンを分けてもらってくれました。

しかも立て替えてもらったパン代を払おうとしたら、手を振って「おごりだよ」と。「メルシー ボクゥ(どうもありがとう)」以外に言葉の出てこない自分がもどかしくて仕方がありませんでした。

部屋で、カートリッジコンロで紅茶をわかし、おいしくいただきました(イギリスで買ったカートリッジコンロも持ち歩いていました。こんなとき役に立ちますね。そのコンロ・ボンベは帰国するときに空港で没収されていまいましたけど(TT))。以上日記をもとに書きました。ではこのへんで。
[PR]
by matuhuji-k | 2009-05-05 11:54 | 旅行 その他 | Comments(0)


<< 5月5日 晴れ 時の流れに ~地中海をわたる船~ >>