アムステルダム市電停留所

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今日 小説家の構想力にはっとしたこと:

遠藤周作『侍』の中の一節;
話が終った。廊下で待っていた小姓に連れられて退室する宣教師を、重臣たちは口もとにうす笑いを浮べてじっと見送り、その足音が消えると白石さまは右筆に皮肉な眼をむけて、
「臭うな、南蛮人の体は」
「食べ物のためと思われます」
「いや、あれは色欲を抑えている男の臭いだ。あの男、この日本に何年、住んでおる」
「十年とのことでございます」
右筆が恭しく答えると、
「十年か。あの男、我らを手玉にとったつもりであろうか……」
彼は黙って右手で左の掌をなで続けた。
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by matuhuji-k | 2008-07-26 20:22 | 旅行 その他 | Comments(0)


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